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2015年5月21日
西田 昂 回想録7
そんな父のエピソードを一つご紹介したいと思います。
それは60年も前のことです。あるユーザーさんから品質に問題があるから小麦粉を買えない。といった連絡を受けた時のことです。そこは関東のユーザーさんだったそうです。今みたいに新幹線などない時代。夜行列車に乗っていったそうです。夜中ほとんど眠れずに四日市のコンビナートの明かりが異常にきれいだったと話してくれました。
朝先方の会社に着くと、どんぶりに入った麺を二つ出されたようです。
一つがおたくの粉。
もう一方が他社の粉。
どちらが良いですか?
その時はさすがに緊張したと言っていました。
父が答えたのはわが社の粉で作ったものでした。
それをきっかけに取引が大きくなったと話していました。